五匹の子豚 Five Little Pigs
放送履歴
日本
オリジナル版(94分00秒)
- 2005年08月25日 20時00分〜 (NHK衛星第2)
- 2006年01月11日 24時30分〜 (NHK衛星第2)
ハイビジョンリマスター版(94分00秒)
- 2016年10月08日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)
- 2017年03月15日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)
- 2021年04月24日 16時26分〜 (NHK BSプレミアム)
- 2021年12月17日 09時00分〜 (NHK BS4K)
- 2023年05月24日 21時00分〜 (NHK BSプレミアム・BS4K)※
- ※ BSプレミアムでの放送は、オープニング冒頭の画面左上にBS4K同時放送のアイコン表示あり
海外
- 2003年12月14日 21時00分〜 (英・ITV1)
- 2004年07月11日 20時30分〜 (豪・ABC)
- 2004年09月26日 22時00分〜 (米・A&E)
原作
邦訳
- 『五匹の子豚』 クリスティー文庫 山本やよい訳
- 『五匹の子豚』 クリスティー文庫 桑原千恵子訳
- 『五匹の子豚』 ハヤカワミステリ文庫 桑原千恵子訳
原書
- Murder in Retrospect, Dodd Mead, May 1942 (USA)
- Five Little Pigs, Collins, January 1943 (UK)
オープニングクレジット
日本
オリジナル版
名探偵ポワロ / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / 五匹の子豚 // DAVID SUCHET / Agatha Christie POIROT / FIVE LITTLE PIGS based on the novel by Agatha Christie / Screenplay KEVIN ELYOT / RACHAEL STIRLING, AIDAN GILLEN / TOBY STEPHENS, MARC WARREN / JULIE COX, AIMEE MULLINS, SOPHIE WINKLEMAN / with GEMMA JONES and PATRICK MALAHIDE / Producer MARGARET MITCHELL / Director PAUL UNWIN
ハイビジョンリマスター版
名探偵ポワロ / DAVID SUCHET / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / 五匹の子豚 // DAVID SUCHET / Agatha Christie POIROT / FIVE LITTLE PIGS based on the novel by Agatha Christie / Screenplay KEVIN ELYOT / RACHAEL STIRLING, AIDAN GILLEN / TOBY STEPHENS, MARC WARREN / JULIE COX, AIMEE MULLINS, SOPHIE WINKLEMAN / with GEMMA JONES and PATRICK MALAHIDE / Producer MARGARET MITCHELL / Director PAUL UNWIN
エンディングクレジット
日本
オリジナル版
原作 アガサ・クリスティー 脚本 ケビン・エリオット 演出 ポール・アンウィン 制作 LWT A&E テレビジョン ネットワークス アガサ・クリスティー Ltd. (イギリス 2003年) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄 キャロライン(レイチェル・スターリング) 萩尾 みどり アミアス(エイダン・ギレン) 松橋 登 エルサ(ジュリー・コックス) 深見 梨加 フィリップ(トビー・スティーブンス) 山路 和弘 ルーシー 小林 さやか ウィリアムズ 八木 昌子 メレディス 牛山 茂 アンジェラ 佐々木 優子 ディプリーチ弁護士 小林 尚臣 糸 博 瀬下 和久 真山 亜子 田中 英樹 深水 由美 谷井 あすか / 日本語版スタッフ 宇津木 道子 金谷 和美 浅見 盛康 里口 千 西亀 泰 蕨南 勝之
ハイビジョンリマスター版
原作 アガサ・クリスティー 脚本 ケビン・エリオット 演出 ポール・アンウィン 制作 LWT A&E テレビジョン ネットワークス アガサ・クリスティー Ltd. (イギリス) 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄 キャロライン(レイチェル・スターリング) 萩尾 みどり アミアス(エイダン・ギレン) 松橋 登 エルサ(ジュリー・コックス) 深見 梨加 フィリップ(トビー・スティーブンス) 山路 和弘 ルーシー 小林 さやか ウィリアムズ 八木 昌子 メレディス 牛山 茂 アンジェラ 佐々木 優子 ディプリーチ弁護士 小林 尚臣 糸 博 瀬下 和久 真山 亜子 田中 英樹 深水 由美 谷井 あすか 日本語版スタッフ 翻訳 宇津木 道子 演出 蕨南 勝之 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千
海外
オリジナル版
Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Caroline Crale: RACHAEL STIRLING; Amyas Crale: AIDAN GILLEN; Philip Blake: TOBY STEPHENS; Meredith Blake: MARC WARREN / Lucy Crale: AIMEE MULLINS; Elsa Greer: JULIE COX; Miss Williams: GEMMA JONES; Angela Warren: SOPHIE WINKLEMAN; Young Angela: TALULAH RILEY / Depleach: PATRICK MALAHIDE; Mrs. Spriggs: ANNETTE BADLAND; Judge: ROGER BRIERLEY; Hollinghurst: RICHARD TEVERSON / Young Lucy: MELISSA SUFFIELD; Young Caroline: LOTTIE UNWIN; Young Amyas: DARIEN SMITH; Young Philip: JACEK BILINSKI; Young Meredith: JOEL DE TEMPERLEY / (中略)Location Manager: ADAM BROWNE; 1st Assistant Director: GARETH TANDY; 2nd Assistant Director: PAULA TURNBULL; Script Editor: KAREN THRUSSELL; Production Co-ordinator: DIANE CHITTELL; Script Supervisor: CAROL THOMPSON / Camera Operator: MIKE MILLER; Focus Puller: KEITH McNAMARA; Grip: JIM BOORER; Lighting Gaffer: LARRY PRINZ; Best Boy: PHILIP PENFOLD; Art Director: PFLEUR WHITLOCK / Set Decorator: MARK RIMMELL; Prop Master: JOHN HOGAN; Construction Manager: STEVE EDE; Make-Up Artists: SIAN TURNER, RUPERT SIMON; Assistant Costume Designer: TAMAR ZAIG / Sound Recordist: TONY JACKSON; Sound Maintenance: MIKE REARDON; Assistant Editor: ANYA DILLON; Dubbing Mixer: BILLY MAHONEY; Supervising Sound Editor: JOHN DOWNER; Dialogue Editor: SARAH MORTON / Post Production Supervisor: KATE STANNARD; Assistant Co-ordinator: PHOEBE MASTERS; Casting Assistant: CLAIRE SAUNDERS; Telecine Colourist: CHRIS BEETON; Visual Effects/Titles: ALAN CHURCH, SIMON GILES / Production Accountant: NUALA ALEN-BUCKLEY; Script Executive: DEREK WAX; Associate Producer: DAVID SUCHET; Executive in Charge of Production: FIONA McGUIRE / Casting: GAIL STEVENS, MAUREEN DUFF; Costume Designer: SHEENA NAPIER; Make-Up Designer: CAROL COOPER; Line Producer: LEILA KIRKPATRICK / Director of Photography: MARTIN FUHRER, BSC; Production Designer: STUART WALKER; Editor: JON COSTELLOE; Original Music: CHRISTOPHER GUNNING, First Gnossienne by Erick Satie / Executive Producer for A & E Television Networks: DELIA FINE; Supervising Producer for A & E Television Networks: EMILIO NUNEZ / Executive Producer for Chorion plc: PHIL CLYMER / Executive Producer: MICHELE BUCK; Executive Producer: DAMIEN TIMMER; © Agatha Christie Ltd (a Chorion Company) 2003 / LWT in association with A & E Television Networks and Agatha Christie Ltd (a Chorion Company) GRANADA
あらすじ
ある娘から面会を希望する手紙を受け取ったポワロ。彼女の依頼の内容は、14年前に母が犯したとされている事件の再調査だった。その思いに心を動かされたポワロは、当時の事件の関係者を訪ね、彼らの証言から過ぎ去った事件の真相を組み立てていく……
事件発生時期
1939年6月中旬 〜(現在)
1924年9月 〜(過去)
1924年9月 〜(過去)
主要登場人物
エルキュール・ポワロ | 私立探偵 |
ルーシー・ルマルション | 依頼人、本名ルーシー・クレイル |
キャロライン・クレイル | ルーシーの母、夫殺害容疑で有罪 |
アミアス・クレイル | ルーシーの父、画家 |
フィリップ・ブレイク | クレイル夫妻の友人、株式仲買人、愛称フィル |
メレディス・ブレイク | クレイル夫妻の友人、フィリップの兄、愛称メリ |
エルサ・ディティシャム | アミアスの絵のモデル、旧姓グリヤー |
アンジェラ・ウォレン | キャロラインの異父妹 |
ミス・ウィリアムズ | アンジェラの家庭教師 |
スプリグス夫人 | クレイル家の家政婦 |
サー・モンタギュー・ディプリーチ | キャロラインの担当弁護士 |
解説、みたいなもの
後期のクリスティーが得意とした、探偵役が過去の事件の真相を追う〈回想の殺人〉タイプのエピソード。クリスティーの〈回想の殺人〉物としては、ほかにポワロ物で「象は忘れない」(原作発表は1972年)、ミス・マープル物で『復讐の女神』(1971年)、トミーとタペンス物で『運命の裏木戸』(1973年)などがあるが、中でも1942年発表の『五匹の子豚』はその走りとなった作品である。ドラマでは、手ぶれや登場人物視点でのカメラワーク、セピア色やノイズの多い映像などで〈回想〉を演出している。なお、『五匹の子豚 (Five Little Pigs)』という題名はマザーグースの歌のタイトルで、過去の事件に立ち合った5人の証人を、その歌に出てくる子豚になぞらえている。
原作は「杉の柩」と同様の三部構成で、第一部では依頼を受けたポワロが関係者を訪ね、第二部で〈五匹の子豚〉の手記によって事件当時の様子を各人の視点から描き、第三部では時を再び現在に戻してポワロによる解決がつけられる。しかし、ドラマではこの第一部と第二部に当たる部分がまとめられており、ポワロが一通り〈子豚〉たちを訪ねて事件当時のことを聞き出しただけで、そのまま解決へとつながる。そのためドラマでは関係者の証言が一切形に残らず、最終的なポワロの推理が机上の空論に過ぎない無力感を強めている。細かな変更点では、クレイル夫妻の娘の名前がカーラからルーシーに変更されたほか、時代設定と第一次大戦との兼ね合いからか、事件が起きたのが16年前から14年前に変わっている。撮影時期は2003年6月頃。
エルサの現在の称号 Lady Dittisham の日本語発音は、最初のディプリーチ弁護士の台詞では「レディー・ディティション」だが、以降のポワロの台詞だと「レディー・ディティシャム」。また、事件当日、アミアスの死の直前にウォーター・ガーデンでエルサがメレディスに言う台詞も、原語は 'Our grumpy doesn't want any lunch.' で同じだが、日本語だとエルサの回想では「巨匠はお昼抜きですって」なのに対して、メレディスの回想では「気難し屋さんはお昼抜きですって」となっている。ただし、そもそも〈子豚〉たちの14年前の回想シーンの多くは同一の場面でも都度別々に撮り直しているようで、映像や原語音声にもそれぞれ微妙に異なる箇所がある。さらに、少年時代のアミアスは左利きなのに大人のアミアスは右利きである。
ポワロがアミアスの絵を見たという「美術館」の原語 The Tate は現在のテート・ブリテンのことで、主に同時代の作品を収蔵していた。劇中の1939年当時は、組織上はまだナショナル・ギャラリーの分館という位置づけだったが、そのコレクションの礎を築いた砂糖王サー・ヘンリー・テートの名にちなみ、1932年より「テート・ギャラリー」と呼ばれていた。
ポワロが調べた「彼女は夫を毒殺したのか (DID SHE POISON HER HUSBAND?)」という新聞記事の本文は、同一の2段落分の文章を何度もくり返している。また、そこには彼女が Valerium (ヴァレリアン) をビールに加えたと書かれているが、殺害に使ったとされたのはコニインである。
ディプリーチ弁護士が「〔キャロラインは〕殺害は否認したが」と言ったところは、原語だと 'Monsieur Poirot, she didn't need to. (ポワロさん、認めるまでもなかったよ)' という表現で、コニインの用途以外についてキャロラインが裁判で否認をした気配はなく、だからこそ「彼女が被告席についた途端、わたし〔ディプリーチ弁護士〕は負けると悟った」のである。また、のちにポワロも、「キャロライン・クレイルは一度も無実を訴えていません」と言う。
フィリップ・ブレイクがポワロと乾杯する際に言う「タリホー (Tallyho.)」は狐狩りの際に犬をけしかける掛け声だが、その意味するところは 'Here we go. (さあ始めよう)' と同義であって、狐狩り以外の場面でも、主に上流階級の人間によって、くだけて使われることがある。ポワロがそれに応じた際に戸惑いを見せるのは、その意味するところを計りかねたためと見られる。また、やはりフィリップが言う「英仏和親協約 (Entente Cordiate)」とは英仏協商のこと。これは1904年に英仏間で結ばれた、植民地支配の利害を調停する協定で、両国間の親善の象徴として用いられる。そのニュアンスを明確にするために、あえて定訳と異なる日本語を当てたものか。
フィリップが言う「〔雰囲気が〕ナイフで切れそうなほど張りつめてい」たという表現は、「ナイフで切れそう」という形容と「張りつめた」状態がそぐわないように感じられるが、原語は単に 'you could cut with a knife (ナイフで切れそうだった)' という表現で、雰囲気などが濃密であることを喩える慣用表現である。
彫刻の感想に同意を求められたミス・ウィリアムズが、日本語で「さあ、どうなんでしょう」と答えるのは、のちに若いころフィレンツェで美術を学んだと主張する彼女にそぐわない。原語の台詞は 'Beechwood, isn't it? (ブナ材ですわね)' という表現で、その彫刻の材質を言っている。
14年前にフィリップとメレディスがした「〔アミアスは〕あんな小娘のために妻子を捨てるなんて。相手は子供だ。自分のしてることがわかってないんだ」「わかってるさ」という会話は、日本語だとすべてアミアスのことを言っているようにも聞こえるが、原語を聞くと後半は相手であるエルサのことを言っていることがわかる。
ポワロが驚いた「鉈を振り上げたくなるの」というキャロラインの台詞は、 take up the hatchet to という英語の慣用句で、比喩的に「〜と戦端をひらく」といった意味。同じ慣用句が「海上の悲劇」では「ぶっ殺す」と訳されていた。
メレディスの実験室にあったヴァレリアンとはセイヨウカノコソウのことで、マタタビ同様に猫が好むことで知られる。しかし、そのにおいを嗅いだエルサが顔を背けたように、足の裏のにおいと形容される特徴的な臭気がある。
ポワロとアンジェラの会話に出てくる「人間には驚くほど無限の行為能力が〔ある〕 (human nature has the/an infinite capacity to surprise)」という台詞の「行為能力 (capacity)」とは、契約などの法律行為を自ら独立してなしうる能力を指して使われる法律用語だが、ここではもっと漠然とした能力や可能性のニュアンスで使われており、要するに「人間に驚かされることには限りがない」「人間はいくらでも意外なことをするものだ」ということ。
冒頭でルーシーとポワロが会ったのはロンドンに実在するサボイ・ホテル。同じストランド側の入口はジョーン・ヒクソン主演「ミス・マープル」の「魔術の殺人」やジェラルディン・マクイーワン主演「ミス・マープル2」の「スリーピング・マーダー」でも見ることができるほか、テムズ川側のサボイ・プレースにある入口は「二重の手がかり」にも登場していた。一方、キャロラインの裁判がひらかれたり、ポワロがディプリーチ弁護士に面会したりした中央刑事裁判所は、「スタイルズ荘の怪事件」や「ゴルフ場殺人事件」で外観が撮影に使われた現地ではなく、法廷は「杉の柩」でエリノアの裁判がひらかれたサリー州庁舎、それ以外の場面は「24羽の黒つぐみ」や「ヒッコリー・ロードの殺人」にも登場したユニバーシティ・カレッジ・ロンドンが使われた。ポワロがフィリップ・ブレイクを訪ねて行ったのは、「コックを捜せ」のベルグラビア銀行こと元王立マソニック病院で、「クラブのキング」のリードバンや「黄色いアイリス」のカーターのオフィス、「スズメバチの巣」でジャップ警部が入院した病院も同所。アンジェラが講演をしていたり、またポワロが過去の新聞を調べに行ったりしたのは大英博物館内(劇中当時に大英図書館はまだなく、その蔵書の大半は大英博物館図書館に所蔵されていた)。アンジェラの講演のあと、彼女とポワロが連れ立って歩いていたのは、「ベールをかけた女」や「エッジウェア卿の死」でおなじみのバーリントン・アーケード。ミス・ウィリアムズのフラットの所在地は、大英博物館近くのリトル・ラッセル・ストリート。レディー・ディティシャムがポワロの応対をした部屋は、サイアン・パークに建つサイアン・ハウスのグリーン・ドローイング・ルーム。このサイアン・パークは、ピーター・ユスチノフ主演の「エッジウェア卿の死」でもサー・モンタギュ・コーナー邸として撮影に使われている。思い出の地であるデヴォン州オルダベリーのモデルは、クリスティーお気に入りの別荘であったグリーンウェイと言われるが(余談ながら、エルサの現在の称号であるレディー・ディティシャムの「ディティシャム」も、グリーンウェイの対岸の地名である)、その家の撮影がおこなわれたのは、実は内陸のハートフォードシャーにあるベニントン・ロードシップ・ガーデンズ。ただし、近くの入り江や少年時代のアミアスたちが戯れる海岸、道中などは実際にデヴォン州にあるフリート・エステイトで撮影されている。オルダベリーへ向かうミス・ウィリアムズが降り立った駅は、南デヴォン鉄道のバックファストリー駅である。
冒頭ほかでルーシーがかける、少女時代の思い出の曲は 'Alice Blue Gown'。エンディングクレジット前に流れる曲はサティのグノシエンヌ第1番である。
エルサ・グリヤー役のジュリー・コックスとメレディス・ブレイク役のマーク・ウォレンは、ジェラルディン・マクイーワン主演の「ミス・マープル」の一篇、「牧師館の殺人」において、若き日のミス・マープルと、その恋人エインズワース大尉をそれぞれ演じている。また、同じ「牧師館の殺人」でグリゼルダ役を演じている、キャロライン・クレイル役のレイチェル・スターリングは、映画「地中海殺人事件」(「白昼の悪魔」と同原作)でアレーナ・スチュアートを演じたダイアナ・リグの娘でもある。少女時代のアンジェラを演じたタルラ・ライリーは、同「ミス・マープル」の「動く指」にミーガン・ハンター役で出演。このほか、フィリップ・ブレイク役のトビー・スティーブンスは、主演がジュリア・マッケンジーに交代した「ミス・マープル5」の「青いゼラニウム」でのジョージ・プリチャード役や、 BBC 制作「そして誰もいなくなった」のアームストロング医師役のほか、ポール・ラッド主演の「華麗なるギャツビー」ではジェイ・ギャツビー役を演じていた(このときの吹替は、今回と同じ山路和弘さん)。彼もまた、前述の映画「地中海殺人事件」のダフネ・キャッスルや、同じくピーター・ユスチノフ主演の映画「ナイル殺人事件」(「ナイルに死す」と同原作)のミス・バワーズを演じたマギー・スミスの息子である。ジョーン・ヒクソン主演の「ミス・マープル」では、スプリグス夫人役のアネット・バッドランドが「ポケットにライ麦を」のグラディス役を演じていた。ミス・ウィリアムズ役のジェマ・ジョーンズは、ジョン・ソウ主演の「主任警部モース」の一篇、「ジェリコ街の女」のアン・ステイブリー役でも見ることができる。
ルーシーから「そのとき初めて、母が父を殺し、処刑されたことを」と言われたポワロが「ふむ」と言ったり、ミス・ウィリアムズのフラットを見あげて「ああ」と言ったりするのは日本語音声のみである。
ハイビジョンリマスター版では、大英博物館リーディングルームの窓の向こうにグレートコートのガラス天井やそのフレームが見えるが、これは1990年代末から2000年にかけての改修で設置されたもの。オリジナル版では映像の加工で消されているが、右端の窓の向こうの屋根にフレームの影が残っている。また、ポワロがキャロラインの裁判の新聞記事を読んだあと、中央刑事裁判所前の様子が想起される場面では、ハイビジョンリマスター版だと映像を青みがからせる加工がなく、大雨ながら日が射していることがよくわかる(オリジナル版ではトリミングされて見えなかった、画面右端の柱の隙間から覗く空も青空である)。ディプリーチ弁護士がエルサに言及する際や、オルダベリーでエルサからメレディスの話を聞く際の回想も同様。
4K放送では、ミス・ウィリアムズの台詞に対応する「頭を きりっと 上げて出ていかれましたが→」という切換式字幕の表示が、音声よりだいぶ早く消える。
» 結末や真相に触れる内容を表示
フィリップ・ブレイクとの最初の面会時、飲み物を出したホリングハーストのことを彼が「友達とは言えんですが」と言う台詞は、原語では 'even though he does bat for the other side' という表現で、 bat for the other side は「同性愛者である」という意味の慣用句。ここには暗に自分はそうではないという主張があり、のちの彼の告白への伏線になっている。なお、男性同士の同性愛は、劇中当時のイギリスではその関係を示唆するような行為まで広く犯罪として扱われていた。合意のある成人男性同士の同性愛の合法化は、イングランドとウェールズで1967年、スコットランドでは1980年、北アイルランドでは1982年を待たなければならなかった。
ポワロがフィリップの前から立ち去りかける際、カメラがポワロの背後に移った直後、ポワロの口が話し終えたところのように動いている。
謎解きのなかでポワロが言う「しかし、ここに何かしっくり来ないものがあります」という台詞は、その直前に「心理面からも違和感はありません」と評した事柄のなかに(心理面以外の)違和感があると言っているようにも聞こえるが、原語音声では 'But then we come to something that does not quite ring true. (でもそれから、まったくしっくり来ないものにぶつかるのです)' という表現で、次に話すアンジェラについてのクレイル夫妻の口論のことを言っている。また、ポワロが「毒薬を割った……」と言いかけて「毒を混ぜた」と言い直すところは、原語だと 'oh, what is the word... ah, spike (何と言います……そう、割った)' と言っており、ディプリーチ弁護士から聞き知った「割る (spike)」という表現を、むしろ積極的に使おうとしている。
謎解きのなかでポワロが「〔キャロラインは〕大急ぎでアンジェラを国外に出し」と言うが、アンジェラの話では当初彼女(とルーシー)が送り出された先は祖母のところで、キャロラインの逮捕の数日後にドイツの学校へ移ったことになっていた。
コニインの入った瓶について、フィリップの回想ではメレディスが「中身は空 (practically empty) になってた」と言い、メレディスの回想でも実際にほとんど空になっているが、謎解きの途中、キャロラインが中身を盗んで瓶を置いたときにはまだ半分以上残っている。
ウォーターガーデンでブレイク兄弟が聞いた「ぼくが荷造りしてやる」というアミアスの台詞は、日本語だと単にエルサとアンジェラのことを取り違えたということになっているが、原語だと、本来はアミアスが 'I'll send her packing.' と言ったのを 'I'll see to her packing.' と聞き違えたことになっており、 send one packing は「~を追い出す」という慣用的意味を持つ。
ポワロが、エルサには「彼ら〔司法関係者〕はあえて、事件を蒸し返す気はないでしょう」と言っておきながら、ルーシーには「おやめなさい! 裁きはきっとおこなわれます!」と言うのはいささか二枚舌的だが、後者の台詞は原語だと 'Spare her, mademoiselle! And justice may still be done! (おやめなさい! そうすればまだ裁きがおこなわれるかもしれません!)' という表現で、ここでエルサを殺せば、かえって彼女が正式な裁きを受ける可能性を完全に失ってしまうと訴えている。
原作は「杉の柩」と同様の三部構成で、第一部では依頼を受けたポワロが関係者を訪ね、第二部で〈五匹の子豚〉の手記によって事件当時の様子を各人の視点から描き、第三部では時を再び現在に戻してポワロによる解決がつけられる。しかし、ドラマではこの第一部と第二部に当たる部分がまとめられており、ポワロが一通り〈子豚〉たちを訪ねて事件当時のことを聞き出しただけで、そのまま解決へとつながる。そのためドラマでは関係者の証言が一切形に残らず、最終的なポワロの推理が机上の空論に過ぎない無力感を強めている。細かな変更点では、クレイル夫妻の娘の名前がカーラからルーシーに変更されたほか、時代設定と第一次大戦との兼ね合いからか、事件が起きたのが16年前から14年前に変わっている。撮影時期は2003年6月頃。
エルサの現在の称号 Lady Dittisham の日本語発音は、最初のディプリーチ弁護士の台詞では「レディー・ディティション」だが、以降のポワロの台詞だと「レディー・ディティシャム」。また、事件当日、アミアスの死の直前にウォーター・ガーデンでエルサがメレディスに言う台詞も、原語は 'Our grumpy doesn't want any lunch.' で同じだが、日本語だとエルサの回想では「巨匠はお昼抜きですって」なのに対して、メレディスの回想では「気難し屋さんはお昼抜きですって」となっている。ただし、そもそも〈子豚〉たちの14年前の回想シーンの多くは同一の場面でも都度別々に撮り直しているようで、映像や原語音声にもそれぞれ微妙に異なる箇所がある。さらに、少年時代のアミアスは左利きなのに大人のアミアスは右利きである。
ポワロがアミアスの絵を見たという「美術館」の原語 The Tate は現在のテート・ブリテンのことで、主に同時代の作品を収蔵していた。劇中の1939年当時は、組織上はまだナショナル・ギャラリーの分館という位置づけだったが、そのコレクションの礎を築いた砂糖王サー・ヘンリー・テートの名にちなみ、1932年より「テート・ギャラリー」と呼ばれていた。
ポワロが調べた「彼女は夫を毒殺したのか (DID SHE POISON HER HUSBAND?)」という新聞記事の本文は、同一の2段落分の文章を何度もくり返している。また、そこには彼女が Valerium (ヴァレリアン) をビールに加えたと書かれているが、殺害に使ったとされたのはコニインである。
ディプリーチ弁護士が「〔キャロラインは〕殺害は否認したが」と言ったところは、原語だと 'Monsieur Poirot, she didn't need to. (ポワロさん、認めるまでもなかったよ)' という表現で、コニインの用途以外についてキャロラインが裁判で否認をした気配はなく、だからこそ「彼女が被告席についた途端、わたし〔ディプリーチ弁護士〕は負けると悟った」のである。また、のちにポワロも、「キャロライン・クレイルは一度も無実を訴えていません」と言う。
フィリップ・ブレイクがポワロと乾杯する際に言う「タリホー (Tallyho.)」は狐狩りの際に犬をけしかける掛け声だが、その意味するところは 'Here we go. (さあ始めよう)' と同義であって、狐狩り以外の場面でも、主に上流階級の人間によって、くだけて使われることがある。ポワロがそれに応じた際に戸惑いを見せるのは、その意味するところを計りかねたためと見られる。また、やはりフィリップが言う「英仏和親協約 (Entente Cordiate)」とは英仏協商のこと。これは1904年に英仏間で結ばれた、植民地支配の利害を調停する協定で、両国間の親善の象徴として用いられる。そのニュアンスを明確にするために、あえて定訳と異なる日本語を当てたものか。
フィリップが言う「〔雰囲気が〕ナイフで切れそうなほど張りつめてい」たという表現は、「ナイフで切れそう」という形容と「張りつめた」状態がそぐわないように感じられるが、原語は単に 'you could cut with a knife (ナイフで切れそうだった)' という表現で、雰囲気などが濃密であることを喩える慣用表現である。
彫刻の感想に同意を求められたミス・ウィリアムズが、日本語で「さあ、どうなんでしょう」と答えるのは、のちに若いころフィレンツェで美術を学んだと主張する彼女にそぐわない。原語の台詞は 'Beechwood, isn't it? (ブナ材ですわね)' という表現で、その彫刻の材質を言っている。
14年前にフィリップとメレディスがした「〔アミアスは〕あんな小娘のために妻子を捨てるなんて。相手は子供だ。自分のしてることがわかってないんだ」「わかってるさ」という会話は、日本語だとすべてアミアスのことを言っているようにも聞こえるが、原語を聞くと後半は相手であるエルサのことを言っていることがわかる。
ポワロが驚いた「鉈を振り上げたくなるの」というキャロラインの台詞は、 take up the hatchet to という英語の慣用句で、比喩的に「〜と戦端をひらく」といった意味。同じ慣用句が「海上の悲劇」では「ぶっ殺す」と訳されていた。
メレディスの実験室にあったヴァレリアンとはセイヨウカノコソウのことで、マタタビ同様に猫が好むことで知られる。しかし、そのにおいを嗅いだエルサが顔を背けたように、足の裏のにおいと形容される特徴的な臭気がある。
ポワロとアンジェラの会話に出てくる「人間には驚くほど無限の行為能力が〔ある〕 (human nature has the/an infinite capacity to surprise)」という台詞の「行為能力 (capacity)」とは、契約などの法律行為を自ら独立してなしうる能力を指して使われる法律用語だが、ここではもっと漠然とした能力や可能性のニュアンスで使われており、要するに「人間に驚かされることには限りがない」「人間はいくらでも意外なことをするものだ」ということ。
冒頭でルーシーとポワロが会ったのはロンドンに実在するサボイ・ホテル。同じストランド側の入口はジョーン・ヒクソン主演「ミス・マープル」の「魔術の殺人」やジェラルディン・マクイーワン主演「ミス・マープル2」の「スリーピング・マーダー」でも見ることができるほか、テムズ川側のサボイ・プレースにある入口は「二重の手がかり」にも登場していた。一方、キャロラインの裁判がひらかれたり、ポワロがディプリーチ弁護士に面会したりした中央刑事裁判所は、「スタイルズ荘の怪事件」や「ゴルフ場殺人事件」で外観が撮影に使われた現地ではなく、法廷は「杉の柩」でエリノアの裁判がひらかれたサリー州庁舎、それ以外の場面は「24羽の黒つぐみ」や「ヒッコリー・ロードの殺人」にも登場したユニバーシティ・カレッジ・ロンドンが使われた。ポワロがフィリップ・ブレイクを訪ねて行ったのは、「コックを捜せ」のベルグラビア銀行こと元王立マソニック病院で、「クラブのキング」のリードバンや「黄色いアイリス」のカーターのオフィス、「スズメバチの巣」でジャップ警部が入院した病院も同所。アンジェラが講演をしていたり、またポワロが過去の新聞を調べに行ったりしたのは大英博物館内(劇中当時に大英図書館はまだなく、その蔵書の大半は大英博物館図書館に所蔵されていた)。アンジェラの講演のあと、彼女とポワロが連れ立って歩いていたのは、「ベールをかけた女」や「エッジウェア卿の死」でおなじみのバーリントン・アーケード。ミス・ウィリアムズのフラットの所在地は、大英博物館近くのリトル・ラッセル・ストリート。レディー・ディティシャムがポワロの応対をした部屋は、サイアン・パークに建つサイアン・ハウスのグリーン・ドローイング・ルーム。このサイアン・パークは、ピーター・ユスチノフ主演の「エッジウェア卿の死」でもサー・モンタギュ・コーナー邸として撮影に使われている。思い出の地であるデヴォン州オルダベリーのモデルは、クリスティーお気に入りの別荘であったグリーンウェイと言われるが(余談ながら、エルサの現在の称号であるレディー・ディティシャムの「ディティシャム」も、グリーンウェイの対岸の地名である)、その家の撮影がおこなわれたのは、実は内陸のハートフォードシャーにあるベニントン・ロードシップ・ガーデンズ。ただし、近くの入り江や少年時代のアミアスたちが戯れる海岸、道中などは実際にデヴォン州にあるフリート・エステイトで撮影されている。オルダベリーへ向かうミス・ウィリアムズが降り立った駅は、南デヴォン鉄道のバックファストリー駅である。
冒頭ほかでルーシーがかける、少女時代の思い出の曲は 'Alice Blue Gown'。エンディングクレジット前に流れる曲はサティのグノシエンヌ第1番である。
エルサ・グリヤー役のジュリー・コックスとメレディス・ブレイク役のマーク・ウォレンは、ジェラルディン・マクイーワン主演の「ミス・マープル」の一篇、「牧師館の殺人」において、若き日のミス・マープルと、その恋人エインズワース大尉をそれぞれ演じている。また、同じ「牧師館の殺人」でグリゼルダ役を演じている、キャロライン・クレイル役のレイチェル・スターリングは、映画「地中海殺人事件」(「白昼の悪魔」と同原作)でアレーナ・スチュアートを演じたダイアナ・リグの娘でもある。少女時代のアンジェラを演じたタルラ・ライリーは、同「ミス・マープル」の「動く指」にミーガン・ハンター役で出演。このほか、フィリップ・ブレイク役のトビー・スティーブンスは、主演がジュリア・マッケンジーに交代した「ミス・マープル5」の「青いゼラニウム」でのジョージ・プリチャード役や、 BBC 制作「そして誰もいなくなった」のアームストロング医師役のほか、ポール・ラッド主演の「華麗なるギャツビー」ではジェイ・ギャツビー役を演じていた(このときの吹替は、今回と同じ山路和弘さん)。彼もまた、前述の映画「地中海殺人事件」のダフネ・キャッスルや、同じくピーター・ユスチノフ主演の映画「ナイル殺人事件」(「ナイルに死す」と同原作)のミス・バワーズを演じたマギー・スミスの息子である。ジョーン・ヒクソン主演の「ミス・マープル」では、スプリグス夫人役のアネット・バッドランドが「ポケットにライ麦を」のグラディス役を演じていた。ミス・ウィリアムズ役のジェマ・ジョーンズは、ジョン・ソウ主演の「主任警部モース」の一篇、「ジェリコ街の女」のアン・ステイブリー役でも見ることができる。
ルーシーから「そのとき初めて、母が父を殺し、処刑されたことを」と言われたポワロが「ふむ」と言ったり、ミス・ウィリアムズのフラットを見あげて「ああ」と言ったりするのは日本語音声のみである。
ハイビジョンリマスター版では、大英博物館リーディングルームの窓の向こうにグレートコートのガラス天井やそのフレームが見えるが、これは1990年代末から2000年にかけての改修で設置されたもの。オリジナル版では映像の加工で消されているが、右端の窓の向こうの屋根にフレームの影が残っている。また、ポワロがキャロラインの裁判の新聞記事を読んだあと、中央刑事裁判所前の様子が想起される場面では、ハイビジョンリマスター版だと映像を青みがからせる加工がなく、大雨ながら日が射していることがよくわかる(オリジナル版ではトリミングされて見えなかった、画面右端の柱の隙間から覗く空も青空である)。ディプリーチ弁護士がエルサに言及する際や、オルダベリーでエルサからメレディスの話を聞く際の回想も同様。
4K放送では、ミス・ウィリアムズの台詞に対応する「頭を きりっと 上げて出ていかれましたが→」という切換式字幕の表示が、音声よりだいぶ早く消える。
» 結末や真相に触れる内容を表示
フィリップ・ブレイクとの最初の面会時、飲み物を出したホリングハーストのことを彼が「友達とは言えんですが」と言う台詞は、原語では 'even though he does bat for the other side' という表現で、 bat for the other side は「同性愛者である」という意味の慣用句。ここには暗に自分はそうではないという主張があり、のちの彼の告白への伏線になっている。なお、男性同士の同性愛は、劇中当時のイギリスではその関係を示唆するような行為まで広く犯罪として扱われていた。合意のある成人男性同士の同性愛の合法化は、イングランドとウェールズで1967年、スコットランドでは1980年、北アイルランドでは1982年を待たなければならなかった。
ポワロがフィリップの前から立ち去りかける際、カメラがポワロの背後に移った直後、ポワロの口が話し終えたところのように動いている。
謎解きのなかでポワロが言う「しかし、ここに何かしっくり来ないものがあります」という台詞は、その直前に「心理面からも違和感はありません」と評した事柄のなかに(心理面以外の)違和感があると言っているようにも聞こえるが、原語音声では 'But then we come to something that does not quite ring true. (でもそれから、まったくしっくり来ないものにぶつかるのです)' という表現で、次に話すアンジェラについてのクレイル夫妻の口論のことを言っている。また、ポワロが「毒薬を割った……」と言いかけて「毒を混ぜた」と言い直すところは、原語だと 'oh, what is the word... ah, spike (何と言います……そう、割った)' と言っており、ディプリーチ弁護士から聞き知った「割る (spike)」という表現を、むしろ積極的に使おうとしている。
謎解きのなかでポワロが「〔キャロラインは〕大急ぎでアンジェラを国外に出し」と言うが、アンジェラの話では当初彼女(とルーシー)が送り出された先は祖母のところで、キャロラインの逮捕の数日後にドイツの学校へ移ったことになっていた。
コニインの入った瓶について、フィリップの回想ではメレディスが「中身は空 (practically empty) になってた」と言い、メレディスの回想でも実際にほとんど空になっているが、謎解きの途中、キャロラインが中身を盗んで瓶を置いたときにはまだ半分以上残っている。
ウォーターガーデンでブレイク兄弟が聞いた「ぼくが荷造りしてやる」というアミアスの台詞は、日本語だと単にエルサとアンジェラのことを取り違えたということになっているが、原語だと、本来はアミアスが 'I'll send her packing.' と言ったのを 'I'll see to her packing.' と聞き違えたことになっており、 send one packing は「~を追い出す」という慣用的意味を持つ。
ポワロが、エルサには「彼ら〔司法関係者〕はあえて、事件を蒸し返す気はないでしょう」と言っておきながら、ルーシーには「おやめなさい! 裁きはきっとおこなわれます!」と言うのはいささか二枚舌的だが、後者の台詞は原語だと 'Spare her, mademoiselle! And justice may still be done! (おやめなさい! そうすればまだ裁きがおこなわれるかもしれません!)' という表現で、ここでエルサを殺せば、かえって彼女が正式な裁きを受ける可能性を完全に失ってしまうと訴えている。
ロケ地写真
カットされた場面
なし
映像ソフト
- [DVD] 「名探偵ポワロ 32 五匹の子豚」(字幕・吹替) ハピネット・ピクチャーズ※1
- [DVD] 「名探偵ポワロ DVDコレクション 50 五匹の子豚」(字幕・吹替) デアゴスティーニ・ジャパン※2
- ※1 「名探偵ポワロ NEW SEASON DVD-BOX 1」に収録
- ※2 吹替は大塚智則さん主演の新録で、映像もイギリスで販売されているDVDと同じバリエーションを使用