たまにある質問
Occasionally Asked Questions

制作・放送に関して

新作はもうないのですか?

 「名探偵ポワロ」は、2014年10月6日放送の「カーテン ~ポワロ最後の事件~」をもって完結しました。ポワロが登場する作品には未映像化の短篇や戯曲、またソフィー・ハナによる公式続篇がまだいくつか存在しますが、公表されている「名探偵ポワロ」続篇の計画はなく、また主演のデビッド・スーシェも登板の意向がないことを明言しています。一方で、「名探偵ポワロ」で一度映像化した作品を映画としてリメイクすることについては、スーシェも熱意を示していますが、こちらも具体的な計画は公表されていません。[1][2]
  1. [1] The Big Interview: David Suchet - Yorkshire Post
  2. [2] David Suchet says he'd "love" to return as Poirot in a movie

再放送はないのでしょうか?

 放送局から一般向けのアナウンスがないと管理人にはわかりませんが、衛星放送やケーブルテレビを見られる環境があれば、AXNミステリーが高頻度で再放送を行っています。また、字幕版であればAmazon プライム・ビデオGYAO! などのインターネット配信サービスもあります。シネフィルWOWOWもよく放送をおこなっていましたが、2020年5月からの「見納めポワロ」一挙放送をもって、しばらく放送がなくなるようです。

ドラマの内容に関して

ポワロの脳細胞はなぜ灰色なのですか?

 「灰色の脳細胞」という日本語は、実は原語とちょっとニュアンスが違います。「灰色の脳細胞」というと脳細胞の中でも特に灰色のものという限定修飾の語感がありますが、英語では grey cells (灰色の細胞) という表現で、細胞の中でも灰色のもの、すなわち脳細胞(の灰白質)を指し、日本語で言う「頭」や「脳味噌」のように、知力や思考力を司るものという趣旨で使われています。ただ、日本人に「灰色の細胞」では伝わりにくいと判断されたのか、「脳」を補った「灰色の脳細胞」という翻訳が定着しています。したがって、ポワロの脳細胞が特別に灰色であったり、また灰色に上質なニュアンスがあったりするわけでもなく、ポワロがヘイスティングスに「きみの灰色の脳細胞は今日はお休みかな?」と言ったりもします。

ハイビジョンリマスター版で吹替キャストが2人いる役があるのはなぜですか?

 「名探偵ポワロ」初期のオリジナル版は NHK での放送枠にあわせ、イギリスの Agatha Christie's Poirot には存在した一部の場面をカットして放送しており、カットされた場面に吹替音声はありませんでした。しかし、2005年に DVD 「名探偵ポワロ[完全版]」が発売される際、カットされた場面に吹替音声を補うための追加収録がおこなわれました。ハイビジョンリマスター版でも同じ音源が使われており、追加収録時にオリジナルと異なるキャスティングがおこなわれた役は、吹替キャストが2人併記されています。

途中のエピソードから雰囲気が変わったような気がするのですが?

 制作のシリーズごとに雰囲気の微妙な違いはありますが、特に2005年に日本で放送された第9シリーズから制作方針と制作会社が変更になり、大きく雰囲気が変わったと言われます。詳しくは「ナイルに死す」の紹介文をご覧ください。
 「名探偵ポワロ」のエンディングでは制作としてクレジットされる基準が一定していませんが、各シリーズの制作体制は以下のとおりです(シリーズとエピソードの対応については〔英国放送順リスト〕をご参照ください)。
シリーズ制作会社
(イギリス)
制作局
イギリスアメリカ
1ピクチャー・パートナーシップ・プロダクションLWT不参加
2
3カーニバル・フィルム
4
5
6
7不参加A&E
8
9グラナダ・プロダクションLWT
10ITV
11WGBH ボストン
12ITVスタジオズ
13エーコン・プロダクションズWGBH ボストン*1
  1. *1 WGBH ボストン「ビッグ・フォー」「死者のあやまち」「カーテン ~ポワロ最後の事件~」のみの参加
 なお、ピクチャー・パートナーシップ・プロダクションとカーニバル・フィルム、グラナダ・プロダクションとITVスタジオズはそれぞれ組織改編によって名義が変わったもので、制作会社の変更は実質的に1回です。また、 LWT はもともと ITV ネットワークを構成するうちの一社だったのが ITV に統合されたため、イギリス側の制作局は(参加していないシリーズを除き)実質的に不変です。

○○のロケ地はどこですか?

 管理人が把握しているロケ地は、基本的にすべて【各作品紹介】の該当エピソードのページでご紹介していますので、そちらをご覧ください。また、ポワロの住むホワイトヘイブン・マンション、ジャップ警部の勤務するスコットランド・ヤードなどについては「ドラマの舞台」でご紹介しています。

エピソードの時系列は?

 劇中の台詞や小道具などから時期設定がわかる分については、【各作品紹介】の該当エピソードのページで「事件発生時期」としてご紹介しています。しかし、複数のエピソードで互いに矛盾する設定がおこなわれていることもあり、これを単純に整合性を持って時系列に並べることは困難です。管理人の雑感としては、各エピソードの時期設定がどうあれ、意識の流れとしては、制作順がおおよそ劇中の時系列に沿っているという印象です。

ポワロが襟につけているブローチは?

 ドラマ中では、ベルギー警察時代にある人から贈られた思い出のブローチという設定で、詳細は「チョコレートの箱」の中で語られています。実際には、ギャバン・ライリーというニュージーランド人宝飾デザイナーがスタッフの依頼を受けてデザインした特注品とのことです。

○○というフランス語の意味は何ですか?

 ポワロがよく使うフランス語の意味などは「おまけ」のページでご紹介していますので、そちらをご覧ください。

「黄色いアイリス」で歌われている歌は?

 「黄色いアイリス」のル・ジャルダン・デ・シーニュで歌われる歌は、原作から歌詞が微妙に変更されているほか、 Agatha Christie's Poirot のエンディングに Additional Music & Lyrics というクレジットがあることから、ドラマオリジナルと思われます。

関連商品について

映像ソフトはどれを買えばよいですか?

きれいな映像で観たい

 「名探偵ポワロ Blu-ray BOX vol. 1~2」がハイビジョンリマスターされた映像を収録しています。しかし、第8シリーズの作品までしか含まれず、2021年9月現在続刊の予定もないため、残りの作品は「名探偵ポワロ NEW SEASON DVD-BOX 1~5」で補う必要があります。

日本語吹替で観たい

 BD および DVD の商品にはすべて日本語吹替音声が収録されています。ただし、「名探偵ポワロ DVDコレクション」(デアゴスティーニ・ジャパン刊行)の吹替音声は NHK 放送のものと異なるため、熊倉一雄さん主演の日本語吹替で観たい方は、それ以外のものから選んでください。

日本語吹替の声が途中で変わらないものが観たい

 DVD の商品にはすべて追加録音のない吹替音声が収録されています。ただし、「名探偵ポワロ DVDコレクション」(デアゴスティーニ・ジャパン刊行)の吹替音声は熊倉一雄さん主演のものでないことに注意してください。 BD の商品は追加録音された部分を含む日本語音声のみの収録です。

できるだけ安くそろえたい

 新品かつ定価で言えば、複数の選択肢がある第8シリーズまでは「名探偵ポワロ[完全版] 全巻DVD-SET」(39,800円)を買うのがいちばん安上がりで、実勢価格でもおおよそ同様の傾向です。残りのシリーズは、「名探偵ポワロ NEW SEASON DVD-BOX 1~5」(5 は17,500円、ほかは各14,000円)以外の選択肢はありません。
 中古品を含めば、「名探偵ポワロ DVDコレクション」(デアゴスティーニ・ジャパン刊行)が安く取引されていることもありますが、日本語吹替が熊倉一雄さん主演のものでないこと、最終シリーズ5作品は別途「名探偵ポワロ NEW SEASON DVD-BOX 5」でそろえる必要があることにご注意ください。

その他

 DVD および BD 各商品の相違点の比較を以下にまとめましたので、ご参考にどうぞ。個別の詳細は「映像ソフト」のページもご覧ください。
メディア商品名収録シリーズ完全版(イギリス版)日本版単巻販売発売元
日本語音声英語字幕
DVD名探偵ポワロ1~7NHK放送オリジナル版+未吹替部分は原語音声なしNHK放送オリジナル版(日本語音声のみ)ありハピネット*4
名探偵ポワロ [完全版]1~8NHK放送オリジナル版+追加吹替(一部再吹替)による全篇吹替あり
名探偵ポワロ NEW SEASON DVD-BOX 19NHK放送オリジナル版による全篇吹替*1なし
名探偵ポワロ NEW SEASON DVD-BOX 2~510~13NHK放送オリジナル版のオープニングとエンディングのみ収録*2
BD名探偵ポワロ Blu-ray BOX1~8なしCS等放送「HD完全吹替版」*3
DVD名探偵ポワロ DVDコレクション1~12大塚智則さん主演による新録音なしありデアゴスティーニ・ジャパン
  1. *1 「ヘラクレスの難業」は再放送以降使用されている修正版
  2. *2 BOX 4, 5 で「NHK放送版ED」として収録されているのは、実際には CS 等で放送された「HD完全吹替版」のもの
  3. *3 NHK 放送の「ハイビジョンリマスター版」を主音声(日本語音声)のみにしたものとおおよそ同一だが、オープニングに DAVID SUCHET のクレジット、およびエンディングに追加吹替のキャストの名前はなく、また「クラブのキング」「ダベンハイム失そう事件」での本篇カットもなし
  4. *4 一部は、ビーム・エンタテインメントもしくはハピネット・ピクチャーズ名義

サイトの内容に関して

よその情報と食い違うのですが?

 お恥ずかしい話ですが、管理人はちょくちょくミスをします。単純なタイプミス等は気づいたときに修正していますが、何かの拍子にまちがって憶えてしまったことは、なかなか自分だけで記憶を修正するのが難しく、ご指摘をいただいて気づくこともしばしばです。もし掲載内容にご不審な点があれば、(メールしか連絡手段を提供できておらず恐縮ですが)お気軽にご連絡いただければ幸いです。
 なお、一部のエピソードの海外での放送日に関しては、 WikipediaIMDb を含む複数のウェブサイト、並びに一部の書籍やハピネット・ピクチャーズの DVD のパッケージなどに食いちがった情報が掲載されていることを把握していますが、その日付に実際に放送があった形跡を確認できていません。一方、当サイト掲載の放送日については、管理人は海外の放送を直接視聴していないものの、2005年頃以降は放送から近い時期に、現地放送局の公式サイトで放送スケジュールを確認しています。また、それ以前の分についても、 British Newspaper Archive や、 Barb の視聴率ランキングなどで確認を取っています。もし、当サイトと異なる情報の裏付けをご存じでしたら、ぜひお知らせください。
2024年1月26日更新