負け犬 The Underdog
放送履歴
日本
オリジナル版(44分00秒)
- 1994年05月21日 21時30分〜 (NHK総合)
- 1995年09月05日 17時15分〜 (NHK総合)
- 1996年03月08日 17時15分〜 (NHK総合)
- 1999年01月06日 15時10分〜 (NHK総合)
- 2003年09月09日 18時00分〜 (NHK衛星第2)
ハイビジョンリマスター版(50分30秒)
- 2016年06月25日 16時00分〜 (NHK BSプレミアム)
- 2016年11月30日 17時00分〜 (NHK BSプレミアム)※1
- 2020年11月28日 17時09分〜 (NHK BSプレミアム)※1 ※2
- 2021年11月26日 09時00分〜 (NHK BS4K)※1
- 2023年02月08日 21時00分〜 (NHK BSプレミアム・BS4K)※1 ※3 ※4
- ※1 サー・ルーベンの部屋を出た時刻に関するビクターの台詞が修正された音源を使用
- ※2 エンディング最後の画面下部に次回の放送時間案内の字幕表示(帯付き)あり
- ※3 BSプレミアムでの放送は、オープニング冒頭の画面左上にBS4K同時放送のアイコン表示あり
- ※4 BSプレミアムでの放送は、32分56秒頃からNHK地震速報の字幕の表示あり
海外
- 1993年01月24日 (英・ITV)
原作
邦訳
- 「負け犬」 - 『クリスマス・プディングの冒険』 クリスティー文庫 小笠原豊樹訳
- 「負け犬」 - 『クリスマス・プディングの冒険』 ハヤカワミステリ文庫 小笠原豊樹訳
- 「負け犬」 - 『死人の鏡』 創元推理文庫 宇野利泰訳
原書
雑誌等掲載
- The Under Dog, Mystery Magazine, 1 April 1926 (UK)
- The Under Dog, London Magazine, October 1926 (USA)
短篇集
- The Under Dog, The Under Dog and Other Stories, Dodd Mead, 1951 (USA)
- The Under Dog, The Adventure of the Christmas Pudding, Collins, October 1960 (UK)
オープニングクレジット
日本
オリジナル版
名探偵ポワロ / DAVID SUCHET // HUGH FRASER / PAULINE MORAN / 負け犬, THE UNDERDOG / Dramatized by BILL CRAIG
ハイビジョンリマスター版
名探偵ポワロ / DAVID SUCHET / AGATHA CHRISTIE'S POIROT / 負け犬 // HUGH FRASER / PAULINE MORAN / THE UNDERDOG / Dramatized by BILL CRAIG
エンディングクレジット
日本
オリジナル版
原作 アガサ・クリスティー 脚本 ビル・クレイグ 監督 ジョン・ブルース 制作 LWT(イギリス) / 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山 敬 ミス・レモン 翠 準子 アストウェル夫人 小沢寿美恵 リリー 土井美加 ルーベン 川久保 潔 平田広明 田中秀幸 麦 人 有本欽隆 村松康雄 塚󠄀田正昭 秋間 登 星野充昭 西村未来 / 日本語版 宇津木道子 山田悦司 福岡浩美 南部満治 金谷和美
ハイビジョンリマスター版
原作 アガサ・クリスティー 脚本 ビル・クレイグ 演出 ジョン・ブルース 制作 LWT (イギリス) 出演 ポワロ(デビッド・スーシェ) 熊倉 一雄 ヘイスティングス(ヒュー・フレイザー) 富山 敬/安原 義人 ミス・レモン(ポーリン・モラン) 翠 準子 アストウェル夫人 小沢 寿美恵 リリー 土井 美加 ルーベン 川久保 潔 平田 広明 田中 秀幸 麦人 有本 欽隆 村松 康雄 塚󠄀田 正昭 秋間 登 星野 充昭 西村 未来 深水 由美 大鐘 則子 板倉 光隆 日本語版スタッフ 翻訳 宇津木 道子 演出 山田 悦司 音声 金谷 和美 プロデューサー 里口 千
海外
オリジナル版
Hercule Poirot: DAVID SUCHET; Captain Hastings: HUGH FRASER; Miss Lemon: PAULINE MORAN; Lady Astwell: ANN BELL; Lily: ADIE ALLEN; Sir Reuben: DENIS LILL; Charles: JONATHAN PHILLIPS; Horace Trefusis: BILL WALLIS; Victor Astwell: IAN GELDER; Humphrey Naylor: ANDREW SEEAR; Gladys: LUCY DAVIDSON; Parsons: JOHN EVITTS; Sergeant: MICHAEL VAUGHAN; Receptionist: CHARLES ARMSTRONG; Stunts: SIMON CRANE / Developed for Television by Carnival Films; (中略)Made at Twickenham Studios, London, England / Assistant Directors: TERRY MADDEN, GERRY TOOMEY, DOMINIC FYSH; Production Manager: GUY TANNAHILL; Production Co-ordinator: LEILA KIRKPATRICK; Accounts: JOHN BEHARRELL, PENELOPE FORRESTER; Locations: NIGEL GOSTELOW, JEREMY JOHNS; Script Supervisor: MAGGIE LEWTY; Camera Operator: STEVEN ALCORN; Focus Puller: DANNY SHELMERDINE; Clapper/Loader: RAY COOPER; Grip: JOHN ETHERINGTON; Boom Operator: PAUL BOTHAM; Sound Assistant: MATTHEW DESORGHER; Gaffer: VINCE GODDARD; Art Director: PETER WENHAM; Set Decorator: CARLOTTA BARROW; Production Buyer: JUDY DUCKER; Property Master: MICKY LENNON; Construction Manager: ALAN BOOTH; Wardrobe: LISA JOHNSON, NEIL SWEETMORE, JILL AVERY, VERNON WHITE; Make Up Artists: KATE BOWER, PATRICIA KIRKMAN; Assistant Editor: ANDREW McCLELLAND; Dubbing: JOHN DOWNER, SARAH MORTON, RUPERT SCRIVENER; Costume Designer: BARBARA KRONIG; Make Up Supervisor: HIRARY MARTIN; Sound Recordist: SANDY MacRAE; Titles: PAT GAVIN; Casting: REBECCA HOWARD, KATE DAY; Associate Producer: DOMINIC FULFORD; Editor: DEREK BAIN; Production Designer: ROB HARRIS; Director of Photography: CHRIS O'DELL; Music: CHRISTOPHER GUNNING; Executive Producer: NICK ELLIOTT / Producer: BRIAN EASTMAN; Director: JOHN BRUCE
あらすじ
アストウェル化学の社長サー・ルーベンが書斎で撲殺された。警察は甥のチャールズを逮捕したが、その不愉快な性格から被害者を疎む人間は多かった。チャールズは無実だというレディー・アストウェルの直感に、ポワロは捜査に乗り出す……
事件発生時期
1936年6月下旬
主要登場人物
エルキュール・ポワロ | 私立探偵 |
アーサー・ヘイスティングス | ポワロの探偵事務所のパートナー、陸軍大尉 |
フェリシティ・レモン | ポワロの秘書 |
サー・ルーベン・アストウェル | アストウェル化学社長 |
ナンシー・アストウェル | サー・ルーベンの妻 |
チャールズ・レバソン | サー・ルーベンの甥、ヘイスティングスの友人 |
ビクター・アストウェル | サー・ルーベンの弟 |
ホレース・トレフューシス | アストウェル化学主席化学者 |
リリー・マーグレーブ | レディー・アストウェルの話し相手 |
パーソンズ | アストウェル家執事 |
グラディス | アストウェル家メイド |
ハンフリー・ネイラー | ホテル滞在客 |
解説、みたいなもの
今回は原作から大小さまざまな変更が加えられているが、登場人物に関するものではビクターとトレフューシスの変更が大きい。ビクターは荒っぽい短気な性格から、サー・ルーベンと対照的な大人しく思慮深い性格に変更され、想いを寄せる相手も変更されて、〈負け犬〉の一人になっている。また、トレフューシスはサー・ルーベンの秘書からアストウェル化学の主席研究員に置き換えられた。本作の原作はポワロの執事のジョージが初登場する作品で、彼が犯人特定の決定打も提供していたがドラマには登場せず、一方チャールズの友人という設定でヘイスティングスが追加されているが、原作でジョージが担った役割は委譲されずに、その決定打は完全にカットされて、ポワロの心理分析と動機の暴露のみによって犯人が指摘される。
アストウェル化学が合成ゴムの製造許可を出そうとしたファルベン社とは、当時のドイツに実在し、第二次大戦後に解体された親ナチスの巨大化学産業トラスト。当時の天然ゴム資源はイギリスが全世界的に支配しており、軍需品としても重要な合成ゴムは、ドイツにとって重点化の対象となる工業製品だった。
ポワロがサー・ルーベンの趣味とセンスに幻想を抱いたあと、サー・ルーベンとビクターのやりとりに場面が移った際、原語ではまもなくビクターが 'Reuben (ルーベン)' と呼びかけるので、その傲慢な相手がサー・ルーベンであると明確になる。一方、日本語では冒頭の手紙での言及やトレフューシスなどによる呼びかけも訳し落とされ、サー・ルーベンの名前が近しい人によって初めて言及されるのは、キャプテンズ・プレートの初日を終えてチャールズが帰宅し、執事のパーソンズに声をかけられた際のことである。もっとも、サー・ルーベンがチャールズの叔父であるなどの周辺情報もあり、だいたいもっと早くに察せられるだろうけど。
ゴルフをやるかと訊かれたポワロが「たまにです、ムッシュウ・レバソン」と答える場面があるが、原語では 'Rarely, Monsieur Laverson.' と答えており、これは「まずやらない」くらいのニュアンス。当初の台本では日本語程度のニュアンスの台詞だったようだが、スーシェの、ポワロは絶対にゴルフなどしないという意見により、現在の台詞に変更になったようだ[1]。のちの「ゴルフ場殺人事件」でも、ヘイスティングスにゴルフをやってみるよう勧められたポワロが、「小さなボールをたたいて芝生の小さな穴に入れる。遠慮します、ポワロの趣味には合いません」と言っている。しかし、「ミューズ街の殺人」では、ポワロが実際にゴルフクラブを握ってコースに立っていた。なお、スーシェの、ポワロを演じるにあたっての全93項目のメモにも「ゴルフは嫌い」と書かれているが、その位置は最後から2番目の第92項であって、撮影中の議論をもとに追加されたと見られる最後の第93項と合わせ、これらはドラマシリーズの撮影が多少進んでから追加されたものに思われる[2]。
サー・ルーベンの書斎にかけられている絵は、 タマラ・ド・レンピッカの「ドクトゥール・ブカールの肖像」の顔の部分をサー・ルーベンの顔に置き換え、背景にアストウェル化学の建物を配したものである。
食事の席でサー・ルーベンが夫人に言う「現実はきれい事じゃないんだ」という台詞は、原語だと 'Always the great actress. (いつだって大女優だな)' という表現で、元女優という夫人の経歴を踏まえ、作り事の世界に住んで現実を見ないという趣旨の揶揄であると思われる。夫人が元女優であるという原作に準じた設定は、ほかでは明示的に言及はされないものの、ハイビジョンリマスター版でのみ見られる居間に飾られた夫人の写真は、その女優時代を写したものか。
ベルギーのミニチュアブロンズの作者として名前が挙がるオーガスト・クルーエやジュールス・ティンドマンは実在の工芸家ではなさそうだが、二人の名前がそれぞれフランス風とオランダ風なのには、主にフランス系住民とオランダ系住民からなる多言語国家ベルギーの事情が表れている。
チャールズがサー・ルーベンの工場で働くことについて日本語で「冗談じゃない」と言ったところは、原語だと 'I'll show him. (それをわからせてやる)' という表現で、チャールズが直接的な行動に出る可能性をより強く示唆したものになっている。
事件の夜にチャールズが帰宅した際、外観では2階の書斎の明かりはついていなかったが、チャールズが入っていったときにはついている。
日本語だと、事件の夜にサー・ルーベンの部屋を出た時刻をビクターが「11時50分頃」と言うが、そののち帰宅したチャールズが、サー・ルーベンの部屋を出ていったあとに映る時計が11時50分を指しているので、これはおかしい。ただし、2016年11月30日以降のハイビジョンリマスター版再放送では台詞を修正した音源が使用されており、言及される時刻は「11時15分頃」になっている。なお原語の台詞だと、ビクターが部屋を出た時刻は、当初より 'About eleven fifteen. (11時15分頃です)' とされている。
逃げたチャールズを追跡する場面で、森の中の道を走り抜けるパトカーが映る部分(2箇所)は、ほかの場面より映像の色合いが淡くなっているが、ここは「なぞの盗難事件」でポワロとヘイスティングスがバンダリン夫人を追跡している場面の使いまわしである。また、リリーがロンドンへ向かう際の汽車の映像は「プリマス行き急行列車」からの使いまわしで、パディントン駅に到着する場面だけ機関車正面の番号が異なるのも、「プリマス行き急行列車」では別の汽車だった映像をつないでいるためである。一方、キャプテンズ・プレートの初日冒頭と2日目の様子は、まったく同じではないが、人々の立っている位置や服装がほとんど同じであり、連続して撮影された映像を分割して使用していると見られる。
エキシビション・ロードについてヘイスティングスが「大学や博物館が多いんです」と言うように、この通り沿いには目的地のインペリアル・カレッジ・ロンドンのほか、ビクトリア・アンド・アルバート博物館や科学博物館、そして「ベールをかけた女」の舞台になった自然史博物館があり、また近隣には王立音楽大学が存在する。
ポワロがロンドンの自室で血のついたハンカチを取り出しながら言う「メイドがテーブルに刺さっていたナイフの先で指を切った」場面は、「名探偵ポワロ」オリジナル版ではカットされて見られない。また、そのあとリリーの推薦状を見てポワロがわざわざ「この紋章はパースシャー公爵夫人のものですよ」と言うのは、その紋章のすぐ下に Duchess of Perthshire (パースシャー公爵夫人) と書かれているので若干不自然に聞こえるが、原語は 'Et certainment, that is the crest of the noble Duchess of Perthshire. (それに、確かにそれはパースシャー公爵夫人の紋章ですよ)' という表現で、便箋の紋章から推薦状が本物らしいと評価している。
サー・ルーベンの書斎入り口の壁にあるコンセントには、テレビのアンテナ線のものと見られる端子が見える。また、スコットランド・ヤードの外観が映った際、画面右下の奥を、おそらくは現代の通行人が横切るのがごくかすかに見える。
背景の説明やアドリブなどのために原語では台詞のない箇所に日本語音声で台詞が入っていることはままあるが、ロンドンへ向かう車の中でのポワロの台詞はすべて日本語音声のみ。また、そのすこし前、ポワロがリリーの前から退出する際に「失礼」と言うのも同様。謎解きの直前の場面で書類に手がかりを見出して「ん?」と言うのも日本語音声のみだが、その前にポワロが振り返る際に息の音がするのは原語音声のみ。
ビクターがサー・ルーベンの書斎から出てきて言う「話にならん!」という台詞は、リアルタイムのときとレディー・アストウェルの回想とでイントネーションが変わるので、あらためて録り直されていることがわかる。
ハイビジョンリマスター版では、キャプテンズ・プレートの初日、サー・ルーベンが夫人に、「週末 (this weekend)」にトレフューシスを招待していると告げ、夫人からは同じ日にチャールズも友人(つまりヘイスティングスとポワロ)を呼んでいると言われる場面がある。このとき、サー・ルーベンのデスクの上にあるカレンダーは23日になっているが、同日、ポワロたちがチェックインしたホテルの宿帳に書き込んだ日付は June 24th (6月24日) である。冒頭にトレフューシスが読んでいる手紙の消印から舞台は1936年であることがわかり、1936年ではこれらは火曜日もしくは水曜日なので、いずれにせよ「週末」は数日後のはずだが、トレフューシスやポワロたちが招待されたディナーも同日のことのように見える。事件翌日のやりとりでは、サー・ルーベンがチャールズへの金銭の支給を打ち切ると脅したのが「昨日」とされており、これがキャプテンズ・プレート初日帰宅後のチャールズとサー・ルーベンの会話のことを指すとすれば、やはりすべて同日のことということになる。おそらくは、脚本上ではキャプテンズ・プレートの初日を週末と想定していたのが小道具などのスタッフに伝わらず、設定に齟齬が出たのだろう。
ハイビジョンリマスター版の日本語には、巡査部長がサー・ルーベン・アストウェルを「サー・アストウェル」と呼ぶ箇所があるが、「サー (Sir)」はナイトないしは準男爵の称号を持つ人物のファーストネームないしはフルネームにつける敬称で、姓のみとつなげた呼び方はしない。
ハイビジョンリマスター版では、ヘイスティングスが宿帳でネイラーの住所を確認するところに「H.ネイラー」、スコットランド・ヤードの外観が映る場面に「ロンドン警視庁」、リリーがエキシビション・ロードでタクシーを降りる場面に「インペリアル・カレッジ」という字幕が追加された。
アストウェル化学の工場として撮影に使われたのは、ノッティンガムシャーのビーストンにある英国大手製薬会社ブーツの工場。吹き抜けが印象的な内部はD10ビルディングで、外観として映るのはD6ビルディングである。キャプテンズ・プレートが開催されたゴルフ場は、サリー州にあるセント・ジョージズ・ヒル・ゴルフ・クラブ。サー・ルーベンの自宅は、スタッフォードシャーのブライス・ブリッジにあるアップランズという邸宅だが、その書斎はセットと見られ、入り口のドアすぐ外の間取りや側面の壁にある窓の大きさが書斎の内外それぞれから見て異なるほか、その外光の入る窓がある壁に金庫が作りつけられているなど若干不自然な構造になっている。リリーを追うポワロとヘイスティングスが車で右折した角は、サリー州ウェイブリッジの、チョーサー・アベニューとスペンサー・アベニューの丁字路。エキシビション・ロードにさしかかったポワロたちやリリーが走っていた通りはケンジントン・ゴアで、その奥に見える円形の建物はロイヤル・アルバート・ホールである。ただし、リリーはそのケンジントン・ゴアを往ったり来たりしているほか、ヘイスティングスの言葉と異なり、エキシビション・ロードはそのときの進行方向からすると左手にある。そして、彼らが乗りつけたインペリアル・カレッジ・ロンドンの敷地北側に位置するアストン・ウェッブ・ビルディングが面しているのはプリンス・コンソート・ロードであり、これはエキシビション・ロードと交差する通りである。パディントン駅で降りたリリーがタクシーに乗った場所も、実はインペリアル・カレッジ・ロンドン構内のオブザヴァトリー・ロードである。なお、このロイヤル・アルバート・ホール周辺は、ピーター・ユスチノフ主演の「エッジウェア卿の死」で謎解きからエピローグの舞台になった場所であり、またジョン・マルコヴィッチ主演の「ABC殺人事件」ではポワロの住むホワイトヘイブン・マンションの撮影がおこなわれた場所でもある。
サー・ルーベン役のデニス・リルは、フランセスカ・アニスとジェームス・ワーウィック主演の「二人で探偵を」シリーズの一篇「サニングデールの怪事件」ではホラビー・ジュニア役、マックス・アイアンズ主演「ねじれた家」ではイーディスの主治医役を演じているほか、ジェレミー・ブレット主演の「シャーロック・ホームズの冒険」では、「もう一つの顔」、「ブルース・パーティントン設計書」、「マザランの宝石」の3作品でブラッドストリート警部を演じている。一方、チャールズ・レバソン役のジョニー・フィリップスは、デビッド・ウォリアムズとジェシカ・レイン主演「トミーとタペンス ―2人で探偵を―」シリーズ「秘密機関」でウィティントン役を演じた。トレフューシス役のビル・ウォーリスは、ジョン・ネトルズ主演の「バーナビー警部」の一篇、「森の蘭は死の香り」にドクター・レシター役で出演。
ロンドンへ向かうリリーが乗ったバスは、「愛国殺人」でポワロが田舎へアグネスに会いに行ったときに乗ったのと同一ナンバーの同じバスで、車体左側上部に掲示された広告も同じである。しかしその行き先は、南西イングランドにあるアップルドアからイングランド中部ノーザンプトンに変わっており、車体側面に書かれていた SOUTHERN NATIONAL というロゴもなくなっている。また、ロンドンでリリーがタクシーに乗った際に後ろに停まっていた別のタクシーは、リリーがロイヤル・アルバート・ホールの横手を通過するときに道の反対側に駐車していたり、インペリアル・カレッジに乗りつけたときに横を通過していったりする。
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パースシャー公爵夫人からのリリーの推薦状は、ポワロが自室で検めているときと、リリーが名字を書き替えているときとでわずかに筆跡が異なり、別物であることがわかる。
ハンフリーがアストウェル化学に侵入した晩に、トレフューシスがそれを見てファルベン社への製造許可の裏付けを得たと思われる、ファイルに綴じ込まれたファルベン社宛の手紙の日付は June 23rd 1936 (1936年6月23日)。そうなると、侵入事件の翌日であるキャプテンズ・プレートの初日はやはり24日ということになり、サー・ルーベンのデスクの上のカレンダーは進めるのを忘れられていたのだろうか。しかし、トレフューシスが自分の研究室で保管されていたファイルの中身を把握していないとは考えにくく、手紙はその後ビクターやルーベンの手許にあるときに追加されたとも考えられる。トレフューシスがファイルを見たあとに(ということはオリジナル版ではカットされてわからないけれど)鍵を持って部屋を出たのは、ファイルの中身だけでは確信が得られず、ほかの場所にある何かを確認するためだったと思われることも、その時点では手紙が綴じ込まれていなかったという解釈を補強する。
ポワロが「反対する人はたぶんいないでしょう」と評したトレフューシスのサー・ルーベン評の、「彼はろくでなしだ。嘘つきだ。ペテン師だ (He was a bully. A liar. And a swindler.)」は、日本語だと一部の訳語が異なるが、事件の晩にチャールズが言った「あいつはモンスターだ。悪党、そして嘘つきだ。嘘つきですよ、ポワロさん (The man's a monster. A bully, and a liar. A liar, Mr Poirot.)」と呼応するものになっている。
アストウェル化学が合成ゴムの製造許可を出そうとしたファルベン社とは、当時のドイツに実在し、第二次大戦後に解体された親ナチスの巨大化学産業トラスト。当時の天然ゴム資源はイギリスが全世界的に支配しており、軍需品としても重要な合成ゴムは、ドイツにとって重点化の対象となる工業製品だった。
ポワロがサー・ルーベンの趣味とセンスに幻想を抱いたあと、サー・ルーベンとビクターのやりとりに場面が移った際、原語ではまもなくビクターが 'Reuben (ルーベン)' と呼びかけるので、その傲慢な相手がサー・ルーベンであると明確になる。一方、日本語では冒頭の手紙での言及やトレフューシスなどによる呼びかけも訳し落とされ、サー・ルーベンの名前が近しい人によって初めて言及されるのは、キャプテンズ・プレートの初日を終えてチャールズが帰宅し、執事のパーソンズに声をかけられた際のことである。もっとも、サー・ルーベンがチャールズの叔父であるなどの周辺情報もあり、だいたいもっと早くに察せられるだろうけど。
ゴルフをやるかと訊かれたポワロが「たまにです、ムッシュウ・レバソン」と答える場面があるが、原語では 'Rarely, Monsieur Laverson.' と答えており、これは「まずやらない」くらいのニュアンス。当初の台本では日本語程度のニュアンスの台詞だったようだが、スーシェの、ポワロは絶対にゴルフなどしないという意見により、現在の台詞に変更になったようだ[1]。のちの「ゴルフ場殺人事件」でも、ヘイスティングスにゴルフをやってみるよう勧められたポワロが、「小さなボールをたたいて芝生の小さな穴に入れる。遠慮します、ポワロの趣味には合いません」と言っている。しかし、「ミューズ街の殺人」では、ポワロが実際にゴルフクラブを握ってコースに立っていた。なお、スーシェの、ポワロを演じるにあたっての全93項目のメモにも「ゴルフは嫌い」と書かれているが、その位置は最後から2番目の第92項であって、撮影中の議論をもとに追加されたと見られる最後の第93項と合わせ、これらはドラマシリーズの撮影が多少進んでから追加されたものに思われる[2]。
サー・ルーベンの書斎にかけられている絵は、 タマラ・ド・レンピッカの「ドクトゥール・ブカールの肖像」の顔の部分をサー・ルーベンの顔に置き換え、背景にアストウェル化学の建物を配したものである。
食事の席でサー・ルーベンが夫人に言う「現実はきれい事じゃないんだ」という台詞は、原語だと 'Always the great actress. (いつだって大女優だな)' という表現で、元女優という夫人の経歴を踏まえ、作り事の世界に住んで現実を見ないという趣旨の揶揄であると思われる。夫人が元女優であるという原作に準じた設定は、ほかでは明示的に言及はされないものの、ハイビジョンリマスター版でのみ見られる居間に飾られた夫人の写真は、その女優時代を写したものか。
ベルギーのミニチュアブロンズの作者として名前が挙がるオーガスト・クルーエやジュールス・ティンドマンは実在の工芸家ではなさそうだが、二人の名前がそれぞれフランス風とオランダ風なのには、主にフランス系住民とオランダ系住民からなる多言語国家ベルギーの事情が表れている。
チャールズがサー・ルーベンの工場で働くことについて日本語で「冗談じゃない」と言ったところは、原語だと 'I'll show him. (それをわからせてやる)' という表現で、チャールズが直接的な行動に出る可能性をより強く示唆したものになっている。
事件の夜にチャールズが帰宅した際、外観では2階の書斎の明かりはついていなかったが、チャールズが入っていったときにはついている。
日本語だと、事件の夜にサー・ルーベンの部屋を出た時刻をビクターが「11時50分頃」と言うが、そののち帰宅したチャールズが、サー・ルーベンの部屋を出ていったあとに映る時計が11時50分を指しているので、これはおかしい。ただし、2016年11月30日以降のハイビジョンリマスター版再放送では台詞を修正した音源が使用されており、言及される時刻は「11時15分頃」になっている。なお原語の台詞だと、ビクターが部屋を出た時刻は、当初より 'About eleven fifteen. (11時15分頃です)' とされている。
逃げたチャールズを追跡する場面で、森の中の道を走り抜けるパトカーが映る部分(2箇所)は、ほかの場面より映像の色合いが淡くなっているが、ここは「なぞの盗難事件」でポワロとヘイスティングスがバンダリン夫人を追跡している場面の使いまわしである。また、リリーがロンドンへ向かう際の汽車の映像は「プリマス行き急行列車」からの使いまわしで、パディントン駅に到着する場面だけ機関車正面の番号が異なるのも、「プリマス行き急行列車」では別の汽車だった映像をつないでいるためである。一方、キャプテンズ・プレートの初日冒頭と2日目の様子は、まったく同じではないが、人々の立っている位置や服装がほとんど同じであり、連続して撮影された映像を分割して使用していると見られる。
エキシビション・ロードについてヘイスティングスが「大学や博物館が多いんです」と言うように、この通り沿いには目的地のインペリアル・カレッジ・ロンドンのほか、ビクトリア・アンド・アルバート博物館や科学博物館、そして「ベールをかけた女」の舞台になった自然史博物館があり、また近隣には王立音楽大学が存在する。
ポワロがロンドンの自室で血のついたハンカチを取り出しながら言う「メイドがテーブルに刺さっていたナイフの先で指を切った」場面は、「名探偵ポワロ」オリジナル版ではカットされて見られない。また、そのあとリリーの推薦状を見てポワロがわざわざ「この紋章はパースシャー公爵夫人のものですよ」と言うのは、その紋章のすぐ下に Duchess of Perthshire (パースシャー公爵夫人) と書かれているので若干不自然に聞こえるが、原語は 'Et certainment, that is the crest of the noble Duchess of Perthshire. (それに、確かにそれはパースシャー公爵夫人の紋章ですよ)' という表現で、便箋の紋章から推薦状が本物らしいと評価している。
サー・ルーベンの書斎入り口の壁にあるコンセントには、テレビのアンテナ線のものと見られる端子が見える。また、スコットランド・ヤードの外観が映った際、画面右下の奥を、おそらくは現代の通行人が横切るのがごくかすかに見える。
背景の説明やアドリブなどのために原語では台詞のない箇所に日本語音声で台詞が入っていることはままあるが、ロンドンへ向かう車の中でのポワロの台詞はすべて日本語音声のみ。また、そのすこし前、ポワロがリリーの前から退出する際に「失礼」と言うのも同様。謎解きの直前の場面で書類に手がかりを見出して「ん?」と言うのも日本語音声のみだが、その前にポワロが振り返る際に息の音がするのは原語音声のみ。
ビクターがサー・ルーベンの書斎から出てきて言う「話にならん!」という台詞は、リアルタイムのときとレディー・アストウェルの回想とでイントネーションが変わるので、あらためて録り直されていることがわかる。
ハイビジョンリマスター版では、キャプテンズ・プレートの初日、サー・ルーベンが夫人に、「週末 (this weekend)」にトレフューシスを招待していると告げ、夫人からは同じ日にチャールズも友人(つまりヘイスティングスとポワロ)を呼んでいると言われる場面がある。このとき、サー・ルーベンのデスクの上にあるカレンダーは23日になっているが、同日、ポワロたちがチェックインしたホテルの宿帳に書き込んだ日付は June 24th (6月24日) である。冒頭にトレフューシスが読んでいる手紙の消印から舞台は1936年であることがわかり、1936年ではこれらは火曜日もしくは水曜日なので、いずれにせよ「週末」は数日後のはずだが、トレフューシスやポワロたちが招待されたディナーも同日のことのように見える。事件翌日のやりとりでは、サー・ルーベンがチャールズへの金銭の支給を打ち切ると脅したのが「昨日」とされており、これがキャプテンズ・プレート初日帰宅後のチャールズとサー・ルーベンの会話のことを指すとすれば、やはりすべて同日のことということになる。おそらくは、脚本上ではキャプテンズ・プレートの初日を週末と想定していたのが小道具などのスタッフに伝わらず、設定に齟齬が出たのだろう。
ハイビジョンリマスター版の日本語には、巡査部長がサー・ルーベン・アストウェルを「サー・アストウェル」と呼ぶ箇所があるが、「サー (Sir)」はナイトないしは準男爵の称号を持つ人物のファーストネームないしはフルネームにつける敬称で、姓のみとつなげた呼び方はしない。
ハイビジョンリマスター版では、ヘイスティングスが宿帳でネイラーの住所を確認するところに「H.ネイラー」、スコットランド・ヤードの外観が映る場面に「ロンドン警視庁」、リリーがエキシビション・ロードでタクシーを降りる場面に「インペリアル・カレッジ」という字幕が追加された。
アストウェル化学の工場として撮影に使われたのは、ノッティンガムシャーのビーストンにある英国大手製薬会社ブーツの工場。吹き抜けが印象的な内部はD10ビルディングで、外観として映るのはD6ビルディングである。キャプテンズ・プレートが開催されたゴルフ場は、サリー州にあるセント・ジョージズ・ヒル・ゴルフ・クラブ。サー・ルーベンの自宅は、スタッフォードシャーのブライス・ブリッジにあるアップランズという邸宅だが、その書斎はセットと見られ、入り口のドアすぐ外の間取りや側面の壁にある窓の大きさが書斎の内外それぞれから見て異なるほか、その外光の入る窓がある壁に金庫が作りつけられているなど若干不自然な構造になっている。リリーを追うポワロとヘイスティングスが車で右折した角は、サリー州ウェイブリッジの、チョーサー・アベニューとスペンサー・アベニューの丁字路。エキシビション・ロードにさしかかったポワロたちやリリーが走っていた通りはケンジントン・ゴアで、その奥に見える円形の建物はロイヤル・アルバート・ホールである。ただし、リリーはそのケンジントン・ゴアを往ったり来たりしているほか、ヘイスティングスの言葉と異なり、エキシビション・ロードはそのときの進行方向からすると左手にある。そして、彼らが乗りつけたインペリアル・カレッジ・ロンドンの敷地北側に位置するアストン・ウェッブ・ビルディングが面しているのはプリンス・コンソート・ロードであり、これはエキシビション・ロードと交差する通りである。パディントン駅で降りたリリーがタクシーに乗った場所も、実はインペリアル・カレッジ・ロンドン構内のオブザヴァトリー・ロードである。なお、このロイヤル・アルバート・ホール周辺は、ピーター・ユスチノフ主演の「エッジウェア卿の死」で謎解きからエピローグの舞台になった場所であり、またジョン・マルコヴィッチ主演の「ABC殺人事件」ではポワロの住むホワイトヘイブン・マンションの撮影がおこなわれた場所でもある。
サー・ルーベン役のデニス・リルは、フランセスカ・アニスとジェームス・ワーウィック主演の「二人で探偵を」シリーズの一篇「サニングデールの怪事件」ではホラビー・ジュニア役、マックス・アイアンズ主演「ねじれた家」ではイーディスの主治医役を演じているほか、ジェレミー・ブレット主演の「シャーロック・ホームズの冒険」では、「もう一つの顔」、「ブルース・パーティントン設計書」、「マザランの宝石」の3作品でブラッドストリート警部を演じている。一方、チャールズ・レバソン役のジョニー・フィリップスは、デビッド・ウォリアムズとジェシカ・レイン主演「トミーとタペンス ―2人で探偵を―」シリーズ「秘密機関」でウィティントン役を演じた。トレフューシス役のビル・ウォーリスは、ジョン・ネトルズ主演の「バーナビー警部」の一篇、「森の蘭は死の香り」にドクター・レシター役で出演。
ロンドンへ向かうリリーが乗ったバスは、「愛国殺人」でポワロが田舎へアグネスに会いに行ったときに乗ったのと同一ナンバーの同じバスで、車体左側上部に掲示された広告も同じである。しかしその行き先は、南西イングランドにあるアップルドアからイングランド中部ノーザンプトンに変わっており、車体側面に書かれていた SOUTHERN NATIONAL というロゴもなくなっている。また、ロンドンでリリーがタクシーに乗った際に後ろに停まっていた別のタクシーは、リリーがロイヤル・アルバート・ホールの横手を通過するときに道の反対側に駐車していたり、インペリアル・カレッジに乗りつけたときに横を通過していったりする。
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パースシャー公爵夫人からのリリーの推薦状は、ポワロが自室で検めているときと、リリーが名字を書き替えているときとでわずかに筆跡が異なり、別物であることがわかる。
ハンフリーがアストウェル化学に侵入した晩に、トレフューシスがそれを見てファルベン社への製造許可の裏付けを得たと思われる、ファイルに綴じ込まれたファルベン社宛の手紙の日付は June 23rd 1936 (1936年6月23日)。そうなると、侵入事件の翌日であるキャプテンズ・プレートの初日はやはり24日ということになり、サー・ルーベンのデスクの上のカレンダーは進めるのを忘れられていたのだろうか。しかし、トレフューシスが自分の研究室で保管されていたファイルの中身を把握していないとは考えにくく、手紙はその後ビクターやルーベンの手許にあるときに追加されたとも考えられる。トレフューシスがファイルを見たあとに(ということはオリジナル版ではカットされてわからないけれど)鍵を持って部屋を出たのは、ファイルの中身だけでは確信が得られず、ほかの場所にある何かを確認するためだったと思われることも、その時点では手紙が綴じ込まれていなかったという解釈を補強する。
ポワロが「反対する人はたぶんいないでしょう」と評したトレフューシスのサー・ルーベン評の、「彼はろくでなしだ。嘘つきだ。ペテン師だ (He was a bully. A liar. And a swindler.)」は、日本語だと一部の訳語が異なるが、事件の晩にチャールズが言った「あいつはモンスターだ。悪党、そして嘘つきだ。嘘つきですよ、ポワロさん (The man's a monster. A bully, and a liar. A liar, Mr Poirot.)」と呼応するものになっている。
ロケ地写真
カットされた場面
日本
オリジナル版
[01:33/0:46] | 夜のアストウェル化学、侵入するハンフリーと研究室のトレフューシスの様子の一部 |
[02:40/0:45] | ポワロがミス・レモンの催眠術を受けている場面の前半、ヘイスティングスが現れるまで |
[06:20/1:03] | ご満悦のポワロの最後 〜 モン・ルポ荘でのサー・ルーベン夫妻の会話 |
[15:24/1:15] | 警察がモン・ルポ荘に到着する場面 〜 書斎でのポワロたちと警察の捜査の様子 〜 部屋で血の付いたシャツを洗うチャールズ |
[20:20/2:04] | 食堂でのポワロ、パーソンズ、グラディスのやりとり |
[22:25/0:22] | 研究室でのポワロとトレフューシスの会話の後半 |
ハイビジョンリマスター版
なし映像ソフト
- [VHS] 「名探偵エルキュール・ポアロ 第31巻 負け犬」(字幕) 日本クラウン
- [DVD] 「名探偵ポワロ 20 エジプト墳墓のなぞ, 負け犬」(字幕・吹替) ビームエンタテインメント(現ハピネット・ピクチャーズ)※1
- [DVD] 「名探偵ポワロ [完全版] 20 エジプト墳墓のなぞ, 負け犬」(字幕・吹替) ハピネット・ピクチャーズ※2
- [DVD] 「名探偵ポワロ DVDコレクション 59 負け犬」(字幕・吹替) デアゴスティーニ・ジャパン※3
- [BD] 「名探偵ポワロ Blu-ray BOX Disc 10 愛国殺人, エジプト墳墓のなぞ, 負け犬」(字幕/吹替) ハピネット・ピクチャーズ※4
- ※1 「名探偵ポワロ DVD-BOX2」にも収録
- ※2 「名探偵ポワロ [完全版] DVD-BOX2」「名探偵ポワロ [完全版] 全巻 DVD-SET」「名探偵ポワロ [完全版] DVD-SET 5」にも収録
- ※3 吹替は大塚智則さん主演の新録で、映像もイギリスで販売されているDVDと同じバリエーションを使用
- ※4 「名探偵ポワロ Blu-ray BOX vol. 2」に収録